対してやばくないのに「やばい」とすぐ言ってしまうやばいあなたへ

クレイジーケンバンドの「タイガー&ドラゴン」という曲をご存知だろうか。

 

「俺の俺の俺の話を聞け 2分だけでもいい お前だけに本当のことを話すから」という歌詞が印象的な全然話を聞いてもらえない人の歌だ。

※嘘です

 

冗談はさておき…

ここから先はノンフィクションになっている。いつもブログはノンフィクションだが、今日こそは本当にノンフィクションだ。

流石に2分では読み終わらないが、どうしても暇なら是非僕の話を聞いてほしい。

  

 

 

ここ数日、個人的に仕事が爆発していた。ちぎっては投げ、ちぎっては投げの繰り返し。

毎日その場凌ぎをしながら「クライアントの進捗どうですか?」というメールに対し、「富士山で言えば五合目でしょうか」と溢れ出るユーモアと隠し切れないフェロモンで返信し、「もー五合目じゃなくて半分っていってよータカダさんっておもしろーい!やだなーハハハハハ」と返ってくるはずだったのに「了解です」とだけ返ってきた。いつから僕のクライアントは沢尻エリカになったんだ。

 


今日(というか日付的にはもはや昨日)も朝から馴染みの会社に出入りをし、富士山で言えば七合半くらいまで差し掛かった仕事に取り掛かっていた。

 

昼食はオフィスビル内の居酒屋で海鮮丼を食べた。凄まじい回転力で客を回す同店は注文して1分で海鮮丼が出てくる。

 

料理の良し悪しは提供スピードでは全く変わらないはずだが「早く来すぎる」というのは少しこちらに心配をかける。出会ってすぐ告白されるよりも少し溜めてから言われた方が好きな気がしてくるアレと同じだ。もう少し注文を受けてから作りました感を演出してほしい。

 

上に載っている具がガリと蒲鉾しかわからない海鮮丼をペロリと平らげ、食後にアイスティーを飲んだ。海鮮丼にアイスティー。このバランス感覚こそ、僕が僕である所以なのだ。


食事を終え、仕事に戻る。

19時過ぎに仕事を終え、急いで新宿に向かった。友人と食事の約束をしていたからだ。

 

2人で合うのは初めてだったので、向かう電車で「新宿 居酒屋 良い雰囲気」で調べた。調べた結果、どこもかしこも良い雰囲気だと思う店ではなく、頭を抱えているうちに新宿に着いた。

 

何が食べたいのか尋ねると寿司がいいというので寿司屋に入った。入った後に昼が海鮮丼だったことを思い出した。昼に海鮮丼で夜に寿司。このバランス感覚こそ、僕が僕である所以なのだ。

 

目の前で一貫500円の雲丹を頼まれながら僕は150円のサーモンを頼み、友人の話を偉そうに聞いた。後ろのテーブル席ではザ・歌舞伎町なカップル、前のテーブルではどう見てもホストとその客が「なぜ寿司屋に来たんだよ」と思うような出で立ちで口論していた。


凡人が聖徳太子になろうとした結果、全く寿司屋の記憶がなかった。一貫500円の雲丹を食べられたことと、会計が僕持ちだったことは記憶にあるのに何を話したのかは全く覚えていなかった。


友人は100円を入れると動き出すおもちゃのようにご飯を奢ると腕を絡ませてくる癖があった。前後をザ・歌舞伎町なペアに囲まれて食事をしていたこともあり、僕も歌舞伎町に染まろうとその絡まってくる腕を受け入れた。

 

「ねー!カップルに見えるかな?」と訪ねてくる友人に沢尻エリカのような返事をしながら路地を曲がったら目の前に会社の先輩がいた。

 

「え!タカダじゃん!やば!」と僕と友人を見て先輩は言う。わかる。超わかる。「え!タカダじゃん!」の後の「やば!」の意味が僕にはわかる。超わかる。


僕も角を曲がって突然後輩が異性と腕を絡ませながら歩いてきたら「やば!」しか出てこない。最近の若者は何でもかんでも「やばい」で片付けてしまうのは良くないところだが、それでも僕らは何かよくわからない感情に気付いた時「やばい」と口に出すしかない。

 

嬉しすぎてやばい
悲しすぎてやばい
怒りすぎてやばい
切なすぎてやばい
会社の後輩が新宿で異性と腕を絡めて歩いているところを目撃したときのやばい

 

「やばい」という単語は、やばい便利なのだ。どれくらい便利かと言うと、便利すぎてやばいくらいだ。


話を戻そう。
先輩に目撃され、気が動転した僕は先輩からの「お幸せに(笑)」という発言に対し、「ありがとうございます」と言った。今でもなんの「ありがとうございます」なのか全くわからない。

 

僕の「ありがとうございます」を受け、友人はより一層腕を絡めてきた。おそらく幼少期から「ありがとうございます」の発言に合わせて腕をからませる特殊訓練を受けていたのだろう。彼女は悪くないのだ。

 


これから朝まで仕事の友人を見送り、帰路につく。帰り道で「友人と腕を絡ませながら歩いているところを会社の先輩に見られた」ことを後輩に話したら「それ恥ずかしすぎてやばいっすね。俺なら死にますわ」と言われた。最近の若者はすぐに死ぬのでよくない。やばいよくない。

 

家に着いたのが23時。朝までに仕上げる予定の仕事を片付けようとしていたらいつのまにか気を失っており、4時に起きた。


もう4時なのやばいな……と思いながら携帯を見ると「ホリエモン ロン毛」で検索していた。なんで検索したのかはまったく覚えていないので、検索履歴を削除し、顔を洗った。


今から70分のインタビューの文字起こしをする。朝までにするとクライアントに伝えているからだ。曲がりなりにも半年間ライターをやってきた経験則から言えば、どう考えても終わらないレベル感だがやるしかない。

 

 

今日で3日目。

3日間空いてしまったのは、どうしようもないので今日からまた頑張ろうと思う。

 

 

ご静聴ありがとうございました。

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