自分の好きなアイドルグループが解散した話

2019年2月23日をもって妄想キャリブレーションというアイドルグループが結成から約6年の活動に終止符を打った。

 

解散するとはじめて知った時の素直な気持ちは「やっと解散か」「やっぱりそうか」と、すこし冷めた印象だった気がする。

 

悲しさや喪失感よりもいつか必ず来ると分かっていた出来事がただ発表されただけの感覚に近い。

 

解散の日が近づいてきても特になにも感じなかった。自分が好きだったものが今後見れなくなるというのにここまで何も感じないものか、と自分自身に驚くほど何も感じなかった。

 

ライブに入ることを決めたのは2月22日。解散ライブの前日だった。


かつての友人達が解散を惜しみ、ツイッターで想い出を語り合っているのを見て、「これは明日この場にいないと後悔する」と感じて入ることを決めた。

 

詳しいライブの内容は、語り出したら止まらなそうなので割愛するが、本当に素晴らしいものだった。彼女達が置かれている環境や状況の中で、できうる最高のパフォーマンスだと感じながらライブを見ていた。

 

人は不完全なものほど惹かれる生き物だから、アイドルは不完全であればあるほど魅力的になる厄介極まりない存在で、だからこそ彼女や妄想キャリブレーションを好きだったわけだけど、昨日のライブを見たら不完全だと感じる部分は限りなく少なくて

 

「あぁ、今解散するのがこのグループにとって一番いいんだろうな」と心の底から思うことができた。

 

少なくとも僕の周りでライブを見ていた人達は、彼女達の出した「解散」という事実を受け入れて、今この瞬間を楽しもうとしているように感じた。泣いている人も大勢いたけど、「今日という日に解散しないでほしい」と思っている人はいなかった気がする。

 

 

彼女が富山県から東京の大学に進学しなかったら
秋葉原ディアステージという場所の存在を知り、アルバイトをはじめなかったら
妄想キャリブレーションという存在に出会い、加入しなかったら

 

そもそも妄想キャリブレーションというグループがこの世に存在しなかったら
当時の妄想キャリブレーションのメンバーが彼女達ではなく、別の誰かだったら

 

一緒に悩み、苦しみ、楽しみながら応援をしたファンの方々がいなかったら

 

 

この中のなにかひとつでも欠けていたら、昨日のワンマンライブは昨日のワンマンライブにならなかった。

 

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これから先、彼女や彼女達、このグループに関わっていた全ての人達は、妄想キャリブレーションがいない日々を過ごしていく。

 

かたちのあるものはいつか消えるし、かたちのないものだって、いつかは消えて、残るのは記憶だけだとしてもそれで充分なんだと今は思える。

 

彼女達がライブの中で「愛してくれてありがとう」と繰り返し言っていたけどそれは違う。

 

愛する機会をあたえてくれてありがとう

 

心からそう思えるグループを、メンバーを、そしてその雰囲気を作り出してくださった全ての関係者、ファンの皆様、何かひとつでも欠けていたらこの気持ちにはならなかった。


アイドルのファンという趣味は、全ての人から理解があるわけではないし、嫌厭される部分は少なからずある。それでも僕はこのグループを好きでいたことを誇りに想うと同時に、もし生まれ変わってもまたアイドルのファンをすると思った1日でした。

 

最後まで読んでくださった方々。
ありがとうございます。

 

アイドルファンの方々はもちろん、それ以外の趣味を持つ全ての方が自分の「好き」という気持ちをこれから先もずっと誇れますように。